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kintone エバンジェリストが大集結!「kintone EvaCamp 2020」開催レポート 後編

サイボウズの一大プライベートイベントとして開催されてきた「Cybozu Days」。5年目となった今年は kintone エバンジェリストが一堂に集う「kintone EvaCamp 2020」を、大阪会場の特別講演枠として開催しました。

後編では kintone エバンジェリスト後半チームによるディスカッションの様子をレポートいたします。

(前半チームのレポートはこちら

ハッシュタグ「#kintoneエバンジェリスト」でも当日の様子が伺えます。併せてご覧ください。


後半チームのエバンジェリストは長井祥和さん金春利幸さん矢内哲さん安藤光昭さん峠健太郎さんでお送りします。(順不同・以下、敬称略)

テーマ3. kintone の大失敗談

kintone エバンジェリストと言えば kintone を巧みに使いこなし、様々なアプリの構築や開発を成功させてきた人、というイメージがあります。そんなエバンジェリストの皆さんだからこそ、胃が痛くなるような大失敗談もあるはず?それでは語っていただきましょう。


矢内:kintone の大失敗談、それは、うかつにサブドメインを途中で変えたことです。kintone を始めるとランダムの文字列がサブドメインに付与されますが、会社名や屋号などの文字列にしたいという願望がありました。それを初めのタイミングならまだしも、Customineなどの、サブドメインと連契約して使うプラグインを導入した後に変えてしまった事があったんですね。そうすると連携が全て切れてしまい、イチから設定しなおさないといけなくなりました。現場からも「表示しない」「動かない」「どうなってるんだ」とクレームが入り、担当者は地獄のような状況になりました。これを聞いた良い子の皆さんは、うかつに途中からサブドメインを変更するような事は決してしないでくださいね。(笑)サブドメインを変更するなら最初から!


金春:そうなんです。だから私たち(※)も最近は、Customine の設定を行うときに、ランダムな文字列のサブドメインで申し込みが来ると「本当にこれで大丈夫?」って確認するようにしています。サブドメインはお試し期間中と言わず、サインアップをしたらすぐに変えたほうがいいですね。

※金春さんの所属するR3インスティテュートは Customine の提供企業


安藤:私もサブドメインは分かりやすい方がいいとずっと言ってきたのですが、最近言われて気がついた事が「これって会社名が分かってたら最初のページ見えちゃうよね」と。確かにと思いました。サブドメインは推測しやすいけどそうじゃない、みたいな少し難しいものを設定するのが良さそうです。


峠:検索してヒットするサブドメインとか確かにありますね。それに加えてユーザー名とパスワードを簡単にしてしまうと誰でも入れてしまうというリスクはありますから。気をつけたほうがいいですよね。


安藤:他の失敗談になりますが。。cybozu developer network では DOM()を使わないでね、という話がありますが、、それにまつわる失敗談で。サイボウズのAPIで管理画面のアプリの設定を自動化できるプログラムを作れるんですが、アプリテンプレートを作るという操作は対応してないんです。それを自動でDOMを操作するツールを作って本番環境でセットアップする作業をしていたのですが、その間に kintone のアップデートがあって、動かないという経験がありました。先程の話ではないですが、良い子の皆さんは、推奨通り変えられる範囲でやってくださいね。(笑)

※DOM:Document Object Model。HTML や XML 文書を取り扱うための API。


長井:そういうケースだと私たちも「一緒にきちんとヘルプを読みましょう」という話をします。ヘルプを読むと、意外とお客様の勘違いだったというケースもあるので、基本に返ってヘルプを見る、これを私はオススメしたいです。

金春:昔、15列50行のテーブルを、1つのレコード内に7つ作ったことがあったんです。そうすると、1つのレコードを開くのに1分かかったことがありました。しかもお客様の案件でやってしまって「あー…全然動かないわ」と肝を冷やしたことがあります。テーブルって便利なので多用しがちですが、そこは関連レコードで良いものは関連レコードにするとか、うまくバランスを取りながら作っていかないとダメだな、というのはその時に学習しました。

連携サービスでできることもあるので、Customine を含めてお客様には提案していますが、できないことはそれ以外のサービスも紹介します。できるだけコードを書かないようにはしています。


峠:カスタマイズに関してお話しすると、スキルを持っている方が会社にいらっしゃる場合、その方が「全部やるよ」って言ってくださったりしますが、その場合に「あなた以外の方でカスタマイズできるんですか?」という事を確認しないと引き継ぎができなかったりします。時間がたってからベンダーに相談しても、余計にお金がかかったりして時既に遅し、という事があったりするんじゃないでしょうか。

人の作ったものを途中から引き継ぐって、怖いですよね。それがどれだけの影響を及ぼすかって分からない。

だから「あなたができても後進の方ができるか」の確認って重要ですよね。


まとめ

  • サブドメインは途中で変えない!変えるなら初期段階で決めてしまおう!

  • カスタマイズはサイボウズ推奨の範囲でやりましょう!迷った時はヘルプに立ち返ろう!

  • カスタマイズをできる人にだけ任せない!後々の事をみんなで考えよう!

テーマ4. kintone を導入しはじめの罠とおさえるべきポイント

いよいよディスカッションも最後のテーマになりました。

これから kintone を導入しようという方、kintone を導入して社内にどのように広げて行こうか考えている方に、導入したばかりの時の罠やポイントをエバンジェリストの皆さんに聞いてみましょう。


金春:kintone に限らずシステム開発する人って誰でもそうなんですが、作って満足しちゃうという事がありますよね。作って現場に入れて「よし、もう大丈夫」って思うのがまず1つ目の罠ですね。前半チームの議論でもありましたが、kintone は変えやすいのがいいところなので、最初に作ってものでできたと思わずに、現場に合わせて変え続けられる覚悟を持つというのが抑えるべき大きなポイントです。

従来のシステムだと後から変えるのが難しいのですが、kintone だと変えやすいのでこのポイントを大切にして欲しいなと思います。


長井:kintone って初めにExcel やcsvを読み込むことで簡単に作れてしまいます。けれど、あまりシステムの事を考えないでこれをやってしまうと、アプリの連携ができなかったり、サブテーブルを作れなかったりというケースになることがあります。そういった事で実際ご相談いただく事もあります。アプリを作成される場合は連携することを意識して進めていかれるのが良いかと思います。


峠:結構大きいのがお金の話、これ「罠」だと思います。サイボウズさんはもちろん販売元なので「kintone って安いですよ」って言うんですけど、1ユーザー1,500円で業務改善ができるかというと、そんなことは絶対ないんです。そもそも5ユーザーからですし、年間9万円かかります。

昨日、R3の築山さんが書いたブログを見てください。上司に言いにくいお金の話は、最初に潰しておくというのが本当に大事だと思います。

最初 kintone だけで初めても、後々他のサービスを入れたくなったり、カスタマイズをに頼みたくなったりと、お金はどんどん積み上がっていきます。結構苦労するポイントかな、と思います。


矢内:後はライトコースとスタンダードコース、どちらにするか迷われる方も多いと思うのですが、780円と1,500円の差、これって正社員の1時間の時給にも見たないんですよね。それを1ヶ月の値段とすると、業務改善にどれだけペイできるのか、そこを見た方が良いかと思います。額で見ると高く感じますが、残業代、人件費の方が実際には高かったりするので。


安藤:私のところにも相談に来られますが、イニシャルだけでなく、ランニングにもお金かかりますよ、というのは伝えています。業務が変われば改善するポイントも変わるので、後から外部サービスを入れたほうがいいとなるケースもある。そういう部分を見越していないと「すごく高くなってしまった」という気持ちになるという罠もありますね。


金春:kintone って簡単ですがやっぱりデータベースです。誰でも作れますが、データベースというのをある程度学習していただきたいな、という気持ちはあります。基礎知識があって作ったアプリと、そうでないアプリはその先で差が付くので、ある程度は勉強していただいた方がいいのかな、というのが私からのアドバイスです。


安藤:その一方で、Access などでガリガリ作られた方は逆にデータベース指向すぎて、カスタマイズしすぎてしまうという罠もあるようです。kintone 自体の勉強や感覚を掴むところにも時間を使う方が良いかと思います。


矢内:kintone を夢の箱みたいに思っていて、放っておいても勝手にデータが溜まる、って思っている人がいますが、そんな事はなく、基本はレコード追加したり読み込んだりで、溜まったデータに対してアクションを取れると考えていただいた方がいいと思います。現場の使い勝手とデータベース、この兼ね合いの部分をどうバランス取っていくか、というのが非常に大事ですね。


峠:いまExcelでやっていることを kintone 化できますか?という問い合わせが圧倒的に多いです。その業務を紐解いていくとうまく行くことも多いんですが、Excel を単にkintone に載せ換えただけだと、あまり工数的に変わらないんですよね。

マスタがExcel のお客様も結構いらっしゃいますね。セルの結合や、無限の行や全角の数字なども混じってたりしますので、まずはそこを整備します。


金春:複数のシート間でデータが複雑に入り組んでたりして、それを紐解くのにすごく時間がかかることもありますね。kintone アプリの作成本体はそんなに掛からなくても、Excelの部分で見積もりにすごく上積みすることもあります。管理者がいなくて、残された遺産みたいな野良 Excel をkintone 化して欲しいと頼まれることもありますが、結構辛いです。Excel の整備は大事ですね。


と言いつつも、kintone も最近計算式がリッチになってきて、色々な式が書けるようになってきましたよね、もう少ししたらkintone も解読不能なアプリが出てくるような気がしています(笑)


矢内:そう考えると、kintone で最初の押さえるべきポイントは「フィールドコードをちゃんとつけましょう」ですね。「数値_1」とか、デフォルトのままはダメですよ。(笑)


まとめ

  • アプリを作って満足しない!現場に合わせて変え続けよう!

  • 「kintone は安い」だけで導入しない!後々かかるコストも考えて上司に相談しよう!

  • Excelからの乗り換えには要注意!まずは元ファイルを整えよう!

いかがでしょうか。

知識や経験豊富なエバンジェリストならではの、失敗談や導入のコツ、皆さんの参考になりましたでしょうか。

まだ気になることがある方はぜひハッシュタグ「#kintoneエバンジェリスト」を付けて質問もしてみてください。

本日登壇いただいた方以外にも、全国には19名のエバンジェリストがいます。また kintone のユーザーコミュニティも数多く存在します。一人で悩むことなく、そういう場で聞いてみる、繋がってみることが、今後の明るいkintone ライフにつながっていくのかもしれません。


そしてエバンジェリストの皆様、あらためて内容の濃いセッションをありがとうございました!


→前編レポートへ

なお、当日の様子をこちらから動画でご覧いただくことができます。

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